問いに対して自分なりの答えを見つける
年長ふじ組でアクアリウムを作りたい、という声が上がりました。
メモ書きを片手にお買い物。
ホームズと書いてますが、行き先はハンディです。
見守り役で私(園長)も同行しましたが、店舗の入り口で
「大きい声だめね」「走るのもバツだよ」と口にしたのは私ではなく子どもたちでした。
すごいなぁ、ルールやマナーはこうやって社会と接点をもつことで育つんだよなぁ、としみじみ。
これが完成したアクアリウム。
飼っているのはグッピーです。
グッピーは綾南アクアリウムアドバイザー(勝手に任命)の園バス運転手さんが
自宅から連れてきてくれました。
ところで、ここに至るまではけっこう時間をかけています。
「アクアリウムやりたい!」「いいよ」では決してありません。
子どもから声が上がったときに、担任から子どもたちに向けて
「水だけでは飼えないけどどうしたらいいか?」「幼稚園がお休みの時はどうするのか?」
など問いが投げかけられています。
その問いに対して、子どもたちなりに悩み考え話し合い、
「長いお休みのときは交代で持って帰ろう」「バスの運転手さんが詳しいから聞いてみよう」
と、自分たちなりに答えにたどり着く、という経験をしています。
この場合、その答えが正解かどうか(うまくいくかどうか)が重要なのではありません。
自分たちで考えるという経験、仲間と話し合うという経験、詳しい大人に聞くという経験
必要なものをリストアップする経験、ホームセンターで買い物をするという経験
・・・たくさんの経験を通じて、育つことこそ幼稚園で大切にしたいことです。
ちなみに、
そのクラスだけアクアリウムやっててずるい!なんて子どもは言いませんが
その点が心配な方はよかったら以下のブログも読んでみてください。
先週、園内研修に講師としてお呼びした
和洋女子大学の田島大輔先生から、次のようなお話をいただきました。
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みんな「で」経験することと、みんな「が」経験することの違いが大切。
幼稚園ではさまざまな活動があるけれど、
その活動は「みんなで」一斉にやったほうがよいのか、
「みんなが」経験できれば、個別でやってもよいのか、ということを考えるとよい。
その際、年齢・状況・実態に合わせて考えていくことが我々保育者には求められている。
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今回のアクアリウムで言うならば、
興味のあるなし関係なく「みんなで」ぞろぞろ買いに行くよりも
興味を強く持っている子たちを中心に活動を進めていくほうがいいだろう、と担任は考えたのかもしれません。
でもそれがその子たちだけで終わったらもったいないので、「みんなが」触れられるように
クラスのよく目に留まる場所にアクアリウムが設置されています。
きっとまたそこから学びの物語が生まれていくのではないか、と思います。
年長なので、誰かに伝える力は十分です。感動したことなら、なおのこと。
それを楽しみに待ちたいと思います。