蝉の声が
夏休みが明けて、暦のうえでは秋なのですが、日中はあまり秋っぽくありませんね。
今年はセミの声があまり聴こえてきません。
猛暑と雨の少なさが影響しているとニュースで読みました。
羽化するときに、雨が刺激となるそうですが、今年は空梅雨で雨がほとんど降りませんでした。
セミの一生は七年七日(7年で地上に出て、7日で一生を終える)と言います。
でも、今年は異常気象で羽化しないまま死んでしまったセミもいるそうです。
ミンミンと鳴く日を夢見て地面の中で頑張っていただろうに、セミの気持ちを想像すると切ないです。
だから、というわけではないんですが、
子どもたちを取り巻く自然環境は
私たちが子どもの頃(20~30年前)と、今とではずいぶん変わってきています。
セミの命からもその変化を感じます。
夏休み中、ある研修でYAMAPの春山慶彦さんのお話を聴く機会がありました。
日本で1番使われている登山アプリを運営する会社のCEOの方です。
https://corporate.yamap.co.jp/founder
いろんなお話があったんですが、
気候変動など変化の激しい今の時代だからこそ、
幼小期にたくさんの自然体験をさせてあげることが大切だ、とおっしゃっていました。
自然と触れ合う経験を通じて、生き物の命をどう捉え、自然をどう認識するのか、という「生命観・自然観」をその子の中に養っていくことが、今後の社会の行く末を担える人になっていくために求められる、と。
春山さんはそのためのツールとして、YAMAPというアプリを作り、人々が登山やハイキングを通じて自然とつながる機会をつくられたのだと思います。
その思いに共感しつつ、私(園長)自身は
それは別に山登りや川下り、といった壮大なことでなくてもよくて
目の前のアリをじっと観察したり、園庭の葉っぱの手触りや匂いを五感を通じて感じたり
水の冷たさに触れたり、走ると心臓がドキドキすることを感じたり
そういうことで良いんじゃないかな、と思っています。
むしろ「小さな自然」を見つけて、そこに心を動かせる子どもたちに育ってもらいたいな、と思います。
綾南にはそういう子がたくさんいるなぁと嬉しくも思った出来事でした。